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遺族の心をそっと支える
「遺品整理」サービスのチカラ

遺族の心をそっと支える「遺品整理」サービスのチカラ

近年、「遺品整理」という言葉を目にしたり耳にしたりする機会が増えてきました。
故人が残した家財や貴重品には長い年月の思い出が詰まっており、それらを整理・処分する作業は、片づけに要する労力や時間だけでなく精神的負担も決して軽くありません。

核家族化と高齢化が進む今、遺品整理サービスのニーズは着実に高まり続けています。
残されたご家族を温かく支えてほしい――。そのような思いにきめ細かく応えるプロフェッショナル集団、メモリーズ株式会社 代表取締役の横尾将臣社長に詳しいお話を伺いました。

メモリーズ株式会社 
代表取締役
横尾 将臣さん

1969年3月12日生まれ。祖母の死後、遺品整理をしていた母が体調を崩したことを機に、遺品整理業に進む。業界草創期の企業でノウハウを習得し、2008年に独立してメモリーズ株式会社を設立。これまでに担当した遺品整理は約1万3,000件を超える。2018年には NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演し大きな反響を呼んだ。現在も多数のメディアに登場する一方、現場を最重視し、日々遺品整理に携わっている。

65歳以上の世帯が
6割を超える今、
求められるサービス

現在、日本では65歳以上の一人暮らし世帯や夫婦のみの世帯が、全体の約6割を占めています(※)。
遺品整理サービス自体の歴史はおよそ20年ですが、こうした社会背景を踏まえると、今後さらにニーズが高まると考えられます。

親の死後、離れて暮らしていた子どもたちが家財や貴重品をある程度整理できたとしても、1軒まるごと、しかも大切な思い出と向き合いながら片付けるのは容易ではありません。そのため、途中で専門業者にバトンタッチする流れがすでに定着しつつあります。

また、高齢のご両親が介護施設へ入所する、あるいは自宅に介護用ベッドを導入するタイミングで、「生前整理」を検討するケースも増加傾向にあります。

※2023(令和5)年 国民生活基礎調査「65歳以上の者のいる世帯の世帯構造の年次推移」参照

葬儀は肉体的なお別れ、
遺品整理は
精神的なお別れ

遺品整理では、故人が生まれてから亡くなるまでの人生の証しを手に取るような感覚が伴います。
葬儀とは別に、形ある思い出がなくなることで、あらためて深い悲しみを覚える方も少なくありません。

故人の思い出と向き合っていただくために、収納から見つかった品々が最終的には捨てることになるだろうと分かっていても、「今日はこれを見ましょう」とあえてご提案することがあります。小さいころに書いた文章やアルバム、成績表などを手に取り「今日で悲しみの底を抜け、明日から前を向きましょう」といった感じです。

すると、作業を始める前と、片づいてきれいになった部屋をご覧になったあとで、ご家族の感情が切り替わるのを感じることがあります。
作業中の数時間はご家族にも作業の様子を見守っていただくことを心がけています。

ご家族に寄り添いながら作業を行います。

依頼先を選ぶときに
気を付けたいこと

この業界には統一のガイドラインがなく、大手企業もほとんど存在しません。サービスの品質にばらつきがあります。
とくに、不用品回収と遺品整理ではプロセスが大きく異なる点に注意が必要です。

貴重品の取り扱い
業者がきちんと貴重品を仕分け、依頼者に戻してくれるかどうかは最重要ポイントです。
現場では現金や貴重品が見つかることも珍しくありません。
生活ごみの処理方法
生活ごみは自治体の許可を得た車両でしか収集・運搬できません。
自治体によって分別ルールや処理費用が異なるので、自治体の担当部署に確認するとよいでしょう。
現場での仕分けの有無
遺品を丸ごと持ち帰り、倉庫で一括処理する業者もいますが、その場合は依頼者の目が届きません。
現場で仕分けを行うかどうかを事前に確認すると安心です。
当社では、再利用できる家財やギフト品はリサイクルに回し、換金できた場合は作業費に充当しています。
近隣・共用部分への配慮
マンションの場合、廊下やエレベーターの養生、駐車場所や搬出経路の確保など、近隣への配慮が欠かせません。
こうした細部まで気を配ってくれる業者を選びましょう。

これらのポイントを事前にチェックすることで、安心して任せられる遺品整理業者を見極められるでしょう。

押し入れから見つかった掛け軸が 2,000 万円で売れた例もある。

増える
「福祉整理(※1)」のニーズ

外部の福祉サービスや見守り機器、行政のセーフティネットにつながる人が増えた影響で、「福祉整理」の依頼も着実に伸びています。
これは生前整理の一種で、「介護ヘルパーを呼ぶ前に台所を片づけましょう」「介護ベッドを入れるためにリビングを整えましょう」といった、健康的な生活環境を整備する前向きな提案が特徴です。

高齢者が事故に遭う原因の約7割は、家の中の事故が占めているのが実情です(※2)。
床に散乱したものにつまずいてケガをしたり、掃除が行き届かず不衛生な環境になったり、台所がものであふれて料理をしなくなるなど、さまざまな負の連鎖が生じかねません。

そうした事態を防ぐためにも、「福祉整理が必要ですよ」という話をセミナーなどでお伝えしています。
健全に生きるための整理ですから、家族や周囲の人が早めに生活上のリスクに気づき、元気なうちに対策できればいいですね。

※1「福祉整理」は「メモリーズ株式会社」の登録商標です。

※2引用:高齢者の住宅内の事故 | 健康長寿ネット
(tyojyu.or.jp)

故人を葬儀でお見送りしたあと、その遺品や住まいを遺族だけで片づける作業は、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
信頼できる専門家とともに遺品整理を行えば、単なる片づけにとどまらず、故人の思い出を大切にしながら、家族が前を向くためのプロセスへと昇華させることができます。

いつか必ず訪れるその日のために、「遺品整理」や「生前整理」について、ぜひご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

遺品整理をはじめとする各種終活サービスにご興味のある方は、大京アステージ・穴吹コミュニティ提携の株式会社全国儀式サービスまでお気軽にご相談ください。