おうちでジビエ#3 ことこと煮込んで、ごちそう時間。ポトフ

ちょっとしたジビエの知識と、家庭で楽しめるレシピをお届けする全3回のシリーズ企画『おうちでジビエ』。
最終回は、じっくり煮込んで味わう「ジビエでポトフ」をご紹介します。
使うのは猪肉ですが、牛肉や豚肉、鶏肉でもおいしくつくれるレシピです。

ことこと煮込む時間も、ごちそうのひとつ。家族と囲む夕食や、休日のゆったりした時間に。
心も体もほっと温まる一皿をお届けします。

監修者紹介

フレンチレストラン「a table」(東京・湯島)
中秋 陽一シェフ

プロフィール

1981年東京生まれ。服部栄養専門学校を卒業後、恵比寿モナリザを経て渡仏。名だたる星付きレストランで4年半研鑽を積み帰国後に独立。クラシカルスタイルのフランス料理を得意とする。2017、2019年パテ クルート アジア大会4位入賞。2020年パテクルート世界選手権代表。

おうちでジビエシリーズは、
動画でもお楽しみいただけます♪

中秋シェフがジビエ料理を通して大切にしているのは、おいしさだけではありません。

近年、日本では野生鳥獣による農作物への被害が各地で課題になる一方、捕獲された野生鳥獣の命を無駄にせず、食材として生かそうという取り組みも広がっています。猟師の方々が自然と向きあいながら届けてくれた命に感謝し、その魅力を料理として伝えていくことも、ジビエ料理の大切な役割の一つです。

今回ご紹介するポトフも、そんな思いを大切にしながら、ご家庭でも無理なく、つくれるように考案されたレシピです。

ジビエって、いつが旬?

ジビエは狩猟によって得られる食材のため、本来は秋から冬にかけて旬を迎えます。地域によって異なりますが、狩猟期間はおおよそ10月から2月頃。この時期は鹿や猪などのジビエが多く流通し、フランスをはじめヨーロッパでは、冬の味覚としても親しまれてきました。

一方で、おうちでジビエ#1でもご紹介したように、現在は適切に処理・冷凍されたジビエ肉が流通するようになり、通販などを利用すれば一年を通して購入できるようになっています。

旬だけの食材ではなく、食べたいと思ったときにご家庭でも取り入れやすくなっています。

熊って食べられるの?

熊も、ジビエとして食べられる野生鳥獣です。秋田県の阿仁地域をはじめ、狩猟文化が根づく地域では、古くから熊鍋などの料理に用いられ、現在も地域の食文化として受け継がれています。食用の熊肉は専門店や一部の通販で購入できますが、鹿や猪に比べると流通量は多くありません。また、部位や個体によって味わいが異なり、下ごしらえや調理方法にも工夫が必要なため、ご家庭で初めてジビエを楽しむ場合は、まずは鹿や猪から挑戦するのがおすすめです。

シリーズ最終回は、バラ肉!

おうちでジビエ#1ではタコライス、おうちでジビエ#2ではキャベツメンチと、ひき肉を使ったレシピをご紹介してきました。今回使うのは、バラ肉です。

ステーキやソテーのような焼き料理は、火の通し方によって食感が大きく変わるため、少しコツが必要です。一方、今回つくるポトフはじっくり煮込む料理。焼き料理ほど火加減を気にする必要はなく、時間をかけて煮込むことで、お肉はやわらかくなり、脂の甘みとうま味がスープ全体に溶け込みます。

時間がおいしく仕上げてくれる一皿として、ぜひ挑戦してみてください。

※ジビエは野生の食材のため、十分に加熱して食べることが大切です。厚生労働省のガイドラインでも、適切な加熱調理が推奨されています。
厚生労働省「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」 (外部サイトへ移動します)▶︎

ポトフ レシピ

特別な調理は必要なく、材料を順番に入れて煮込むだけ。ご家庭でもつくりやすい一品です。
寒い日の夕食にはもちろん、家族や友人と囲む食卓にもおすすめです。

※本記事では、適切に処理・流通された食用のジビエ肉を使用しています。

材料(4人分)

猪バラ肉 200g
  • ※牛肉・豚肉・鶏肉でもおいしつくれます。
  • ※脂身が適度にある部位がおすすめです。
キャベツ 1/2個
ジャガイモ 2個
ニンジン 1本
タマネギ 2個
セロリ 3本
ソーセージ 4本
ローリエ 適量
水 800ml

【調味料】

チキンコンソメ 適量
塩 適量

つくり方

  1. ❶ 猪バラ肉は4等分に切る。鍋に水を入れ、猪バラ肉、ローリエ、チキンコンソメを加えて強火にかける。沸騰したら弱火にし、アクを取りながら約30分煮込む。
  2. ❷ タマネギとジャガイモは半分に、ニンジンは4等分に、セロリは食べやすい大きさに切る。❶に加え、さらに約30分煮込む。
  3. ❸ キャベツは4等分に切り、ソーセージとともに❷へ加え、さらに約20分煮込む。
  4. ❹ 最後に味を見て、お好みで塩を加えて完成。

中秋シェフの動画で、
さらにおいしく♪

今回ご紹介したポトフは、動画でも詳しくご覧いただけます。
中秋シェフが実際に調理しながら、野菜を加える順番や煮込む時間の目安などをわかりやすく解説。
記事では紹介しきれなかったコツや、ジビエにまつわるお話もご紹介しています。
レシピを読むだけでは、わからない発見もありますので、ぜひ動画もあわせてご覧ください。

脂身のあるお肉がおすすめ

今回ご紹介したポトフは、猪肉だけでなく、牛肉や豚肉、鶏肉でもおいしくつくることができます。ひとつだけポイントがあるとすれば、脂身が適度にある部位を選ぶことです。

ポトフのような煮込み料理では、じっくり火を入れることで、お肉の脂が少しずつスープに溶け込みます。そのため、脂身が少ない部位は水分が抜けやすく、ややかたく感じることがあります。一方で、バラ肉や肩肉など適度に脂のある部位は、やわらかく仕上がり、うま味もしっかり残ります。

『おうちでジビエ』は、今回で最終回です。おうちでジビエ#1ではタコライス、おうちでジビエ#2ではキャベツメンチ、そして最終回ではポトフをご紹介しました。

料理は違っても、共通しているのは、「ジビエだから特別」と考えなくてもいいこと。いつものお肉を使うような感覚で、少しだけ食材を変えてみる。それだけで、食卓には新しいおいしさが広がります。

ジビエでつくる日もあれば、いつものお肉でつくる日があっても大丈夫。
その日の気分や食卓にあわせて、お好みのお肉で味わってみてください。