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「リースバック」徹底解剖!①
家を売ってもそのまま住める!?
話題の仕組みをご紹介!

「リースバック」徹底解剖!① 家を売ってもそのまま住める!?話題の仕組みをご紹介!

「自宅を売却する」
言葉にするのは簡単ですが、いざ家族の思い出が詰まった家を手放すともなれば、大きな決心が必要です。

本当は売りたくなくても、ご実家へのUターンや子どもの独立などによる家族構成の変化、さらには終活における「家じまい」や老人ホームへの入居など、さまざまなご事情からやむを得ず……という方もいらっしゃるかもしれません。

では、「自宅を売却してもそのまま住める」方法があったら、いかがでしょうか?
これ、ウソみたいなホントの話なんです。
今回は、近年注目されている「リースバック」を徹底解剖! あなたやご両親の老後の暮らし方や終活のヒントにもなるかもしれません。

※2025年4月現在

自宅を売却してもそのまま住める

リースバックはここ10年余りで広がってきた比較的新しい仕組みなので、耳馴染みのない方も多いのではないでしょうか。

「leaseback(リースバック)」という英単語を直訳すると「再び借りる」という意味になりますが、自分が所有している資産を売却すると同時に賃貸借契約を結び、売却した資産を利用し続けることのできる取引のことを指します。

つまり住まいのリースバックなら、売却して資金を得た後も住み慣れた自宅に賃借人としてそのまま住むことができるというわけです。

メリットと留意点をチェック

リースバックをもう少し詳しく理解するために、リースバックのメリットと留意点を見てみましょう。

メリット

  • まとまった現金が手に入る
  • 賃貸で同じ家に住み続けることができる
  • 住み替えの際、仮住まいへの引っ越しの
    必要がない
  • 固定資産税や災害リスクなど、資産を
    保有することでのリスクが軽減できる
  • 売却活動を行わないので周りに
    知られずに売却することができる

留意点

  • 売却に伴い所有権を失う
  • 売却活動を行わないので、通常の
    仲介売却より価格が下がる場合がある
  • 賃貸居住中の賃料が周辺相場に比べて
    割高になる場合がある
  • 買い戻しできないこともある

大きなメリットは何と言っても、まとまった資金を手にしながら愛着のある家に住めるということです。

ただし、思い入れのある自宅の所有権を手放すことになります。ここは慎重に考えたいポイント。リースバックは制度上ご家族の同意は必要とされていませんが、ご自宅やご実家はご家族にとっても大切な場所なので、できる限り話し合われることをおすすめします。

リースバックが向いているのは
こんな人!

現状、リースバック利用者の中心は、第二の人生を見据えて踏み出す60代の方が中心となっています。

背景には、「家を売っても賃貸物件が借りられない」、「買い替えをするにも仮住まい探しや、引っ越し回数が増えるのが負担」という高齢者ならではの事情や、「終活」や「家じまい」への関心の高まりがあります。

  • 住み替え費用を確保しつつ、転居までの期間は今の家で暮らしたい
  • 子どもに借金を残したくないので、
    相続資産を整理したい
  • 元気なうちに「家じまい」がしたい
  • 年金が思ったより少なく、老後資金を補填したい
  • 老人ホームに入所するための資金を確保したい
  • 事業資金に充てたい

こうした方々が、手元にお金を確保しながら、住み続けることのできるリースバックを上手に活用しています。

よく似たサービス
「リバースモーゲージ」とは?

リースバックとよく比較されるサービスに「リバースモーゲージ」があります。
どちらも「今の家に住み続けながら資金が調達できる」という点では同じですが、リバースモーゲージは自宅を担保に資金を借り入れ、金利部分のみを月々返済しながら元本は契約者が亡くなったときに自宅を売却することで返済するという仕組みの住宅ローンです。

リースバック リバース
モーゲージ
資金調達
方法
自宅の売却 自宅を担保に
した借入
(ローン)
所有権
移転
必要 不要
査定額 高い
(市場価格が基準)
低い
(金融機関による担保評価が基準)
契約相手 リースバック
業者
金融機関等

一番大きな違いは、手にする資金の差です。
リースバックの方が一括でまとまった額が手に入るので、より多くの資金を得たい方にはリースバックが向いているといえます。

それでも「家を売りたくない」という想いの強い方であれば、リバースモーゲージを選択する方法もあります。

ただし、リバースモーゲージはローンになるため、リースバックでは基本的に必要とされない保証人や家族の同意が必要になるほか、年齢制限や収入条件、資金の使用用途に制限があるなどハードルが上がる側面もあります。

そのため、リバースモーゲージでは条件が合わなかった方の「次の一手」としてリースバックを検討されるケースもあります。

こんな点には注意!
リースバックを選ぶポイント

ひとことにリースバックといっても、売却価格や賃貸料の設定はもちろん、賃貸期限の有無や買い戻しの可否など、商品によって諸条件が大きく異なります。

国土交通省からは住宅のリースバックの適切な活用方法や留意点を取りまとめた「住宅のリースバックに関するガイドブック」が発行されていますが、リースバックの特性を活かし、上手に活用される方がいる一方で、思いがけない展開に困惑されるケースもあります。

たとえば、「売却後、普通賃貸借契約で暮らしていたが、10年賃料を払ったら売却代金を上回ることに気づいた」といった声や、
「ずっと住み続けるつもりでいたのに、数年後に大幅な賃料値上げがあり、退去を余儀なくされた」、

あるいは「事業資金を補填して、軌道にのったら買い戻す予定でいたのに、売却価格よりはるかに高い販売価格になっており、手が出なかった」といった声も聞かれています。

それでも、リースバックはご自身の「実現したいこと」と合致してさえいれば、とても有用な取引ができます。何より大切なのは、契約内容をよく確認・理解することです。

今回は一般的なリースバックについて解説しましたが、
次の記事では、大京穴吹不動産のリースバック商品「売っても住まいる」についてご紹介します。